プロフィール
 

officematsuura3

Author:officematsuura3
オフィス松浦HPへ

JR尼崎駅北側、徒歩5分のところで、カウンセリングおよびセラピーをおこなっている臨床心理士です。

住所:尼崎市潮江1-15-3
電話:06-6492-2388
携帯:090-3870-6101

詳しくは、ホームページをご覧ください。

 
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
 
 

ビッグイシュー日本編集部編「路上のうた ホームレス川柳」ビッグイシュー日本編集部

 
2015/04/06(Mon) Category : 書評
この本は、九州の福岡で「ビッグイシュー日本版」を販売している方とその仲間がつくった川柳のなかから三百句をえらんで本にしたものですが、ものがよい、です。ホームレスの方々の日常生活は、普通に生活している人々には、よくわからないのですが、この本の句には、ホームレス生活における四季折々の悲喜交々の心境が文学的、詩的に表現されていて、それらが直截に伝わってきます。私が気に入った句をいくつか引用します。


寝袋に 花びら一つ 春の使者

老猫と 日がな一日 ベンチかな

春来ても 心の氷(すが)は 融けにくい

祭りとは 花火の後の 缶ひろい

盆が来て 里帰りする 他人眺め

入る墓 ないから百まで 生きよかな

名月を 天に仰ぎつ 夢ん中

ベンチ寝る 頬をかすめる 枯葉かな

スポーツは 荷物背負って 歩くだけ

野良猫と 同じ寝床で 暖をとる

金ないが たまの贅沢 雪見酒

紅白の 結果は拾った 新聞紙

人生の 末期の鐘か 除夜の鐘

路上で寝 路上で起きて 年が逝く


まだまだ、ご紹介したい句は、たくさんありますけれども、じっさいに本を手にとって読まれることをお勧めいたします。路上からみえる風景、路上からみえる世界は、深遠です。大昔、学生時代に、俳人の種田山頭火や尾崎放哉に一時期、凝ったことがありますが、この本の句には、山頭火や放哉を彷彿とさせる凄みがあります。ホームレス生活者ほど、四季折々に対する感受性、自然に対する感受性、社会に対する感受性、そういった感受性が鋭い、よい意味で、きわめて人間的な方々はいない、と思います。この本は、本屋さんでは売っていないので、購入したい方々は、「ビッグイシュー日本版」の販売者さんから購入してください。

オフィス松浦 ホームページ
HOME : 対人恐怖について : 不登校について : 鬱(うつ)のカウンセリング
 
Comment  |  Trackback
 
 

スターン「精神分析における解離とエナクトメント」創元社

 
2015/01/20(Tue) Category : 書評
この本は、学派を問わず、まっとうに、心理臨床をやっている人々には、学ぶこと、あるいは共感することがある本であると思います。最新の米国精神分析は、このあたりのことを考えているのか、そして、こういうふうに考えているのか、といった動向がわかります。本書のテーマは、セラピストとクライエントという、いっしょに考えるパートナーの相互関係性であり、これは、米国精神分析のような長時間、長期間、セラピーをおこなっていて、そこでの、こまやかな、相互関係性を考えるという土壌がなければ、書けない本です。この本では、ガダマーやサリヴァン、そして私のお気に入りであるレイコフとジョンソンのメタファー論がちらっと出てきますので、好感をもてました。少なくとも、日本の心理臨床をやっている人々から、レイコフとジョンソンのメタファー論について聴いたことがありませんし、また、この本でも、心理臨床におけるメタファー論は、まだ、これから、という印象を受けました。この本のいちばんよいところは、セラピストとクライエントの相互関係性をリベラルにとらえているところです。著者が精神分析の実践でめざすところは、「自由」(こころの自由)です。この本の監訳は、一丸藤太郎先生、訳は、小松貴弘さん、広島大学の師弟コンビ。超大昔、私はいわゆる五大学で、一丸先生や小松さんにお目にかかったことがありますので、この本を読みながら、一丸先生や小松さんをたまにイメージいたしました。大昔、木村敏先生に教わったことですが、本は、出来るだけ、書いたり、訳したりした人を知っているとわかりやすい。原著を読んでいないので、あくまで推測にすぎないのですが、読んでいてこまかいところで二箇所ぐらい、訳について、?マークがありましたけれども、全体的に読みやすく訳されている本なので、精神分析に関わりのない心理臨床家にも、とくにセラピストとクライエントという、いっしょに考えるパートナーの相互関係性に関心がおありの方にお勧めします。もう一歩ふみこんで言えば、この著者は、私のことばで言うところの、心理臨床の実践における、「なんだかよくわからんが」を、その大切さとそのわからなさを、理解していると思います。

オフィス松浦 ホームページ
HOME : 対人恐怖について : 不登校について : 鬱(うつ)のカウンセリング
 
Comment  |  Trackback
 
 

小林敏明「西田幾多郎の憂鬱」岩波書店

 
2015/01/12(Mon) Category : 書評
この本は、今は昔、私が河合塾生であった頃、河合塾講師として現代文を教わっていた小林敏明さん、そして今や、ライプツィヒ大学教授で、西田幾多郎研究の第一人者と言ってよい小林敏明さんが西田幾多郎の人生について、研究した本です。この本は、ざっと読むのは、読みやすい本ですが、こまかい史料をもちいた実証的研究をされていて、現代史学の研究書のようなところもありますので(とくに西田の政治とのかかわりかたについて、など)、読み方は、それぞれ、ご自由になさってください。私が勉強になったのは、まず、西田がロマン主義の影響を受けているという見解です。それで、私が、西田幾多郎にあこがれて、京大をえらんだことがよくわかりました。ちなみに、私は、どう考えても、ロマン派の人間です。つぎに、西田は、数学やマルクス主義からも影響を受けているとのこと、たしかに納得いたしました。そして、西田の文献研究の仕方が、その研究者の主著などだけのみを読み、その研究者の考え方の「骨(コツ)」をつかむことをめざしておられたらしいこと、これは、わが意をえたり、と感じました。それから、西田は、どうやら、書きながら考えていた、書くことで考えていた、という小林さんの理解は、おそらく正しいと思います。あと、西田が強迫性格であったという小林さんの理解、正しいと思います。西田の文体には、たしかに強迫性があります。小林敏明さんは、私が名古屋の河合塾生であった頃、もっとも影響を受けた講師の一人であり、フロイトをちょっとばかり、教わりました。西田哲学をそれほど私は勉強したわけではないのに、私は、けっこう、西田哲学から影響を受けていて、私の言説には、西田哲学が多少なりとも入っていることを再認識いたしました。カウンセリングでも、ちょっとばかり、入っています。今、思い出しましたが、上田閑照先生に、初学者の頃、「日本人の心性を研究したいと思っています。」と問うたところ、「まず、フロイト、ユングを研究しなさい。」というような問答をしたことを思い出しました。

オフィス松浦 ホームページ
HOME : 対人恐怖について : 不登校について : 鬱(うつ)のカウンセリング
 
Comment  |  Trackback
 
 

松田浩則・中井久夫共訳「ヴァレリー詩集 コロナ/コロニラ」みすず書房

 
2015/01/04(Sun) Category : 書評
フランスを代表する詩人、ポール・ヴァレリー(1871-1945)の最晩年における恋愛からうまれた詩集であり、ヴァレリーが当時の恋人(正確には愛人)に宛ててつづった詩集です。いやー、この詩集はすごい。シェークスピアの詩集や万葉集を彷彿とさせるぐらい、いや、ひょっとしたら、恋愛詩集としてはそれ以上かも。この詩集には、精神分析のことばで言えば、退行にして同時にみごとな昇華があります。ふつうの言い方をすれば、恋愛で溢れ出る感情に、フランス最高級の知性が、それについていって、見事にことばにしている、言語化している。この本は、R45ですが(笑)、とくに芸術や文学をやっている若い人々にお勧めします。芸術や文学は、知性だけではできるものではありません。90歳をこえた瀬戸内寂聴さんが、説法で、「みなさん、恋をしなさい!」と言われていたらしいのですが(笑)、それは、けっこう、当たっています。心理学的に言えば、ユングのいうアニマのテーマですが、芸術や文学は、作者のアニマが動いていると、よい作品ができます。多くのすぐれた芸術家や文学者は、結果的に恋人を触媒にしてアニマを活性化してよい作品をつくっています。ちなみに、私のことばで言えば、「孤悲」は、アニマに、けっこう、近いです。私淑する中井久夫先生が、ずっと病跡学的研究と訳詩を手がけてきたヴァレリーですが、この本におけるヴァレリーは、しあわせだと思います。私は若い頃、病跡学をやりかけて、どうしても、芸術家・文学者の病理よりも、クリエイティブな側面、ポジティブな側面が見えすぎて、仕事にならず、やめましたが(笑)、カウンセラーとしては、病理に目が行きすぎるよりも、それでよい、むしろ、そのほうがよい、と思っています。

オフィス松浦 ホームページ
HOME : 対人恐怖について : 不登校について : 鬱(うつ)のカウンセリング
 
Comment  |  Trackback
 
 

THE BIG ISSUE  ビッグイシュー日本版

 
2014/12/16(Tue) Category : 書評
土、日に仕事をしているぶん、最近は、月、火と仕事を休みにしていますので、きょうなんかは、ジプシー音楽を聴きながら、「THE BIG ISSUE  ビッグイシュー日本版」の最新号に目を通しています。ビッグイシューは、いつもJR尼崎駅北側にいる販売員のおっちゃんから買っています。ビッグイシューのよいところは、この雑誌のもつ、世界レベルのネットワークによって、海外の動き(ムーブメント)の情報が入ってくることです。最新号では、「お金をこえる!0円ネットワーク」という特集で、それこそ、資本主義社会の悪さをおぎなう、世界レベルでのムーブメントを扱っていました。かつて人類は、狩猟採集民であったのですが、そのころの食べ物や必要なものごとをわかちあう原始共産制には、シンパシーがあります。この「お金をこえる!0円ネットワーク」という特集には、資本主義社会の悪さをおぎなう可能性があるムーブメントを感じられました。よくよく考えてみると、高度に発展した資本主義社会というものは、ますます、人類を生きづらくしていています。私はべつに共産党支持者ではありませんが(笑)、だいたい、直近の選挙でどこにも票をいれるべき党がなかったので、選挙には行かなかった人間ですが、資本主義社会の悪さをおぎなう、原始共産制のような感覚は、好きです。

オフィス松浦 ホームページ
HOME : 対人恐怖について : 不登校について : 鬱(うつ)のカウンセリング
 
Comment  |  Trackback
 
Home | Top ▲
 
検索フォーム
 
 
リンク
RSSリンクの表示
QRコード
 
QR