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津野 恵「僕は四つの精神障害-強迫性障害、性同一性障害、うつ病、発達障害と共に生きて-」星和書店

 
2014/07/06(Sun) Category : 書評
大学の学生相談室に勤務している臨床心理士の妻が、大学の図書館で貸りてきた本なのですが、妻に勧められて、読みました。津野 恵さんという方のいわゆる当事者本ですが、精神医学の本を出している出版社から出ています。津野 恵さんは、このお名前自体、本名から「子」を取った通称であり、心は男性、身体は女性である、性同一性障害の方です。「私がみんなと違うと自覚したのは、幼稚園に入園した時だった。どこか、周りの女の子と違うと感じた。」「そして、小学校に入学してどうも女の子の友達の輪に入れなかった。一番最悪なのは、体操着のブルマーで、恥ずかしくて仕方がなかった。」プライベートで性同一性障害の(乃至はおなべと自称される)人々の知り合いがいますので、普通のカウンセラーよりは、セクシャル・マイノリティの生きづらさ、孤独感、社会との違和感などのしんどさをよく知っています。たまに性同一性障害の方あるいはその親のご相談を受けることがありますが、セクシャル・マイノリティのしんどさが伝わってきます。恵(けい)さんは、手術や女性との恋愛や戸籍上の名前変更など、とりあえず、先送りにされているようです。恵(けい)さんというよりも、ひょっとしたら、ケイ、とお呼びするほうがベターなようにも思いますので、とりあえず、そうします。さて、ケイは、中学校から私立の女子校に入学しますが、制服のセーラー服が嫌になり、さらに女子校の雰囲気や集団生活に耐えきれず、高校進学はやめまして、大検を受けました。その16歳ぐらいから、いわゆるひきこもりに近い生活になり、強迫性障害とくに不潔恐怖が出ました。その不潔恐怖は、すさまじいものであり、お母さんを中心に家族を巻き込んで、ものすごい掃除をさせるなど、この本の大半を占めています。私の臨床経験から、ひきこもりあるいはひきこもりに近い生活をしていると、強迫性障害とくに不潔恐怖が出やすいように思います。この本の後半では、ケイがひきこもりから少しずつ脱して外の世界とつながってゆくプロセスが書かれていて、そのプロセスをつうじて、ケイは、不潔恐怖が少しずつよくなってゆきます。ひきこもりは、どう考えても、精神衛生上、よくないと思われます。作家の島田 雅彦さんがたしか書いておられたように思いますが、ひきこもって執筆をしていると、対人恐怖になるらしいです。ケイにも、対人恐怖があるようです。ケイは、ひきこもりから少しずつ脱して、放送大学に入学しました。放送大学といえども、スクーリングがありますので、外に出る必要があります。そこで、すごくよい恩師に出会い、また、大学側のすばらしい配慮に出会い、成長してゆかれます。そして大学院に進学して、うつになられます。それで、まるいクリニックに出会います。まるいクリニックは、私が私淑している伝説の精神科医、加藤 清先生が勤務していた時期もある、まともなクリニックです。この本を読むかぎり、まるいクリニックの丸井規博院長、およびケイを担当した臨床心理士の諏訪部亮一さんの、なみなみならぬ尽力はすごい。この時期、ケイは、まるいクリニックのデイケアで修士論文を書いています。このような個別に柔軟で自由な対応をする、まともな日本のデイケアには、この本ではじめて出会いました。さすが加藤 清先生がかかわっておられた病院です。ケイは、発達障害だと32歳で診断され、強迫性障害とうつは、その二次障害であると、ケイは思っておられますが、おそらく、それで正しいと思います。ただ、ケイの場合は、性同一性障害も合わさったうえでの、強迫性障害とうつは、その二次障害でもあるとも考えられます。私は、性同一性障害であろうと発達障害であろうと強迫性障害であろうとうつ病であろうと、まったくもって人間として、まったく同じですので、同じ人間として、付き合います。最後に、ケイのお母さん、およびご家族の方々のご苦労とご理解とご努力に、尊敬の念を感じました。

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