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日々随想(835)

 
2019/01/09(Wed) Category : コラム
あるクライエントにすすめられて、NHK BS1スペシャル「欲望の資本主義2018~闇の力が目覚める時~」とNHK BS1スペシャル「欲望の資本主義2019~偽りの個人主義を越えて~」をNHKオンデマンドで観たけれども、経済学とは哲学あるいは思想のようなものなのだなあ、と感じ取れて、おもしろかった。

NHK大河ドラマ「いだてん」の第1回を妻の母親と観ていて、思ったのだけれども、昔の日本人はスポーツであるとかクラブ活動であるとかをやる習慣が今ほどはあまりなかったようだ。ちなみに、妻の母親は、高校時代、軽音部だったそうだが、今と違って、楽器をやるのではなくて、クラシックなど音楽観賞するクラブだったようだ。また、ちなみに、妻の母親は、戦後数年たった小学校高学年の頃、ソフトボールをやったらしい。戦後になってアメリカ文化がどっと入ってきてのことなんだろうなあと思った。

正月に祇園界隈に行く用事があって、生まれてはじめてゆっくり観て廻ったが、おもしろかった。舞妓さんや芸妓さんの習い事のスケジュール表を偶然観たところ、びっしりさまざまな習い事をするスケジュールがつまっていて少し感心した。考えてみれば、彼女たちの仕事は「総合芸術」だ。ある喫茶店に入ると、その喫茶店の常連客である彼女たちの芸名入りの団扇が並んで飾られていた。また、祇園祭のちまきも多数置かれていた。老舗の店もいくつかあり、線香の専門店や一味や七味などの専門店に入り、おみやげを買った。焚くと、名号が立ち現れてくるという顕字香を発見し、書斎で焚いているが情緒がある。また、河井寛次郎やバーナード・リーチの陶器を扱っている店に入り、ゆっくりさわって観賞させてもらった。バーナード・リーチの作品には彼が英国人であることもあってどこか日本のどこにもない抽象性を感じた。河井寛次郎の小ぶりの作品を気に入って購入したくなった。朝鮮のかなり古い陶器も置いてあったが、金額の桁が違った。ある美術館でロベール・ドアノー(1912―1994)というパリの写真家の展覧会が開催されていたので観たが、パリの人々を撮った白黒写真群は美味いコーヒーのように深いコクのある味わいであった。昔、作家の夢枕獏さんに偶然京都の骨董屋で出会い、サインをしてもらったことがあるが、「京都はおいしい」と書かはったのを思い出した。

縁がある京都の神社で新春祈祷を受けてきたけれども、祈祷をとりおこなってくださった神主に神社あるいは神道の儀礼についていろいろ教わったが、ものすごくおもしろく、勉強になった。また、只今、禁酒中です、と言うと、御神酒は口につけるだけでよかったので、禁酒はまだなお継続中である。

年末から年始にかけて、おもに京都で、座禅を三回、気功を三回、ヨガを四回、それぞれ体験したところだが、とりあえず、今、現在までのところ、冬の早朝の寺院での座禅は身体(感覚)が世界あるいは自然へと開かれていく清々しい純粋なる瞑想(メディテーション)、気功は「はからい」を捨てつつも醒めた意識を保持しての「自動運動」が動き出すことによって「先天の気」が身体全身に流れ出すことによっての動きのなかでの瞑想(メディテーション)、ヨガは身体全身の筋肉の各部位を順を追って意識的に緊張と弛緩を繰り返すことによって自ずから自然に瞑想(メディテーション)を活性化させる身体技法であるように感じ、考えられる。ここで言う瞑想(メディテーション)とは、いま流行りの言語表現では、「マインドフルネス」ということになるように思われる。また、座禅、気功、ヨガともに、呼吸法がポイントのひとつであるのが通底しているように思われるし、もう少し大きくざっくり言えば、身心の活性化であるのが通底している。あと、気功は身体のある部位を動かすことによって、別の部位が自ずから自然にある動きをするという身体システムの原理のようなものを活用しているようなところがある。また、座禅や気功は、閉眼乃至半眼でやることが多いが、それは普段の日常生活では視覚情報に圧倒されていてリラックスできにくいので閉眼乃至半眼にすることによって視覚情報流入を削減し普段相対的にあまり使っていない視覚以外の感覚器官を活性化しそれらをもつうじて世界や自然に開かれ、つながり、深いリラックスに入るということであるように思われる。

赤ワインをやめたことで食欲が増進し食事がすごく美味く、身体がよく動くので、座禅、気功、ヨガを始めたが、トレッキングも始めつつある。今、現在のところ、京都に座禅や気功やヨガをやりに行ったさいに、神社仏閣を中心に歩くことから身体を慣らしてトレッキングのための準備をしている。年末年始にかけて訪れた神社仏閣は都合十五箇所ほど、美術館等の展覧会三箇所、あと旧三井家下鴨別邸、岩倉具視幽棲旧宅、哲学の道も歩いた。

座禅は実力を見込んだ、ある禅僧、気功は気功の実力を見込んだ先生二人、ヨガは直観で選択して気に入り指導を受けることにした先生二人から教わっている。それから、ジムでパーソナルトレーナーから身体改善の指導を受けている。身体のことは、真面目に取り組めば、わりとすぐに結果が出る感があるので、おすすめかもしれない。逆に言えば、カウンセリングでこころのことに取り組むことのほうが相対的に難易度が高いかもしれない。だからこそ、やりがいがあるのである。

臨床心理士の専門性とは、シンプルにはクライエントが必要とする専門的情報を教えるのでもあって、ただたんに黙って傾聴しているだけではない。



 
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